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Reading 考える技術・書く技術

May 01, 2020, 17:55 #Reading

どんな本?

自分の考えをどうやって構成するか、そしてそれをどう文章に落とし込むかについての本。

考えをピラミッド型の構造に整理することを原則としている。そのために、考えをピラミッド型に図式化するべきだとくり返し主張している。

エンジニアの人にとっては耳タコの話かもしれない。

ときどき、日本人が理論的でないのは日本語に原因があるとかいう意見を目にすることがあるが、筆者はピラミッド型の構造に整理するのはどの言語でも可能だと主張している。

そもそも、この本に書かれている考えは、理論的な文章が書けない欧州のコンサルタントへの指導を通して生まれたものなので、欧米人だろうと日本人だろうと関係なく、論理的な文章を書く(考える)訓練が必要なのだろう。

おそらく、日本と欧米では、こういったテクニックを重要と認め、啓蒙してきたかどうかに差があるのではないかとおもう。アメリカは学校教育でディベートさせるとかいう話を聞いたことがある。

話がそれた。読みかけだが最後までざっと見たところ、くり返し書かれているのは

ということに尽きる。

構成

  1. 序文

  2. 書く技術
    1. なぜピラミッド構造なのか?
    2. ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?
    3. ピラミッド構造はどうやって作るのか?
    4. 導入部はどう構成すればいいのか?
    5. 演繹法と帰納法はどう違うのか?
  3. 考える技術
    1. ロジックの順序に従う
    2. グループ内の考えを要約する
  4. 問題解決の技術
    1. 問題を定義する
    2. 問題分析を構造化する
  5. 表現の技術
    1. 文書構成にピラミッドを反映させる
    2. 文章表現にピラミッドを反映させる

0. 序文

いまはどうかわからないが、ピラミッド原則はマッキンゼーの標準ライティングスタイルだったらしい。

本の構成について。

第 1 部 書く技術

ピラミッド原則の基礎と、かんたんな文書作成の技術について。

第 1 章 なぜピラミッド構造なのか?

読み手は理解するときにピラミッド構造にならべかえる。

ならばさいしょからピラミッド構造で書いたほうが読むのがラク。

ピラミッド型へ並べ替える

トップダウンに配列する

ボトムアップで考える

階層構造にしましょう。結論からいいましょう。多すぎるとわかりません。不自然な並べ方はやめましょう。ということかな。

第 2 章 ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?

縦の関係

横の関係

導入部のストーリー展開

縦の Q&A、横の論理、導入のストーリーで自分の考えを明確にしてから、ピラミッドを構成する。

第 3 章 ピラミッド構造はどうやって作るのか?

トップダウン型アプローチ

  1. テーマを書く
    • テーマがはっきりしていなければスキップする
  2. 疑問を書く
    • 読み手を想像して書く
      • 読み手は誰なのか?
      • テーマについてどんな疑問があるだろうか?
    • はっきりしなければスキップする
  3. 答えを書く
    • あるなら書く
    • ないなら「答えを書かなければいけない」と書く
  4. 状況を明確にする
    • 状況のうち、議論の余地がない部分をメモする
      • 読み手の前提知識
      • 歴史
    • 議論の余地がないということは、読み手が「その通りだ」とおもうということ
    • それは本当の疑問で、対する答えは適切なのかどうかをチェックする工程
  5. 複雑化させる
    • 読み手を想像して Q&A を書く
    • 伝えたいことが読み手にとって意味のあるものかどうかをチェックする工程
  6. 「疑問」と「答え」を再チェックする
    • あたらしい疑問は生まれていないか?
    • 答えの理由づけは正しいか?

ボトムアップ型アプローチ

  1. 言いたいことをぜんぶリストアップする
  2. 言いたいこと同士にどんな関連があるか考える
    • 図にするのがよい
      • フローチャート的な
  3. 結論を出す

初心者への注意

  1. トップダウンがおすすめ
  2. 導入部は状況から考えはじめるといい
  3. 導入部は省略しない
  4. 過去の出来事はぜんぶ導入部に書く
    • 本文に書けるのは「考え」だけ
    • 「出来事」の因果関係を論じる場合のみ書いてよい
  5. 導入部に書くことは読み手が「その通りだ」とおもえることだけにする
    • 読み手の疑問を歪めてしまう
  6. できれば論理は帰納法にする
    • 読み手の負担がすくない

第 4 章 導入部はどう構成すればいいのか?

ストーリー形式

状況(テーマに関して確認されている事実) 複雑化(その次に起こった疑問へとつながる事柄) 疑問
しなければいけない事がある その妨げになるようなことが起きた どうすればよいか?
問題がある 解決方法を知っている 解決方法を実行するにはどうすればよいか?
問題がある 解決方法が提案された それは正しい解決方法か?
行動をとった その行動は効果がなかった なぜ効果がなかったのか?

いくつかの共通パターン

第 5 章 演繹法と帰納法はどう違うのか?

演繹法は風が吹けば桶屋が儲かる理論。前提に誤りがあると正しい結論を導けない。

帰納法は推論の域を超えないが、仮説がひとつ間違っていたとしても、ほかの仮説で正しさを保証することができる。

プログラムで考えると、ソースコードは演繹的だが、モジュール設計は帰納的といえるかも。

第 2 部 考える技術

自分の考えの構造を批判的にみる技術について。

第 6 章 ロジックの順序に従う

時間の順序

構造の順序

度合いの順序

第 7 章 グループ内の考えを要約する

白紙の主張を避ける

行動の結果を述べる

各結論に類似点を見つける

第 3 部 問題解決の技術

第 8 章 問題を定義する

問題定義のフレームワーク


ここまで読んだ


4. 表現の技術